ビビっと来ても Stay Gold

ハングライダーで… 飛びたてる… のは… 6時半ぐらいだ…

 夢には驚異的な機能があって、夢見ている間に記憶を整理したり、問題を解決したりしてくれるとも言われている。

昨晩、夢の中で駄洒落を考えていた。目下、小洒落て駄洒落た文章を書くよう、カフカ的状況に強いられているので、夢が代わりに考えてくれたのかもしれない。折角で申し訳ないけれど、「ハングライダー」の洒落は現実の文章では使えそうにない。

ただ、今朝起きたのは確かに6時半くらいだったので、ひょっとしたら夢はそれを教えようとしてくれたのかもしれない。Thanks, anyway.

そもそも「小洒落」と「駄洒落」を両立させようとするのが間違いじゃないの?

 そう冷静に指摘する声が聞こえてきた。確かに、その通りだ。その昔「飴は甘ぇーな、本物は」というような「悲しい駄洒落」があったように記憶する。「小洒落た駄洒落」はありえないのかもしれないと思って探したら、意外にもこんな書名の本が見つかった。人生何ごとも勉強だ。さっそく注文した。

ダジャレヌーヴォー―新しい駄洒落 (扶桑社文庫)

ダジャレヌーヴォー―新しい駄洒落 (扶桑社文庫)

 

 書名があのワインに引っ掛けて駄洒落ているのは、誰しもわかるところだと思う。

 ただ、駄洒落界の重鎮の割には、「ボジョレー」の方には洒落がかかっているものの、ヌーヴォーの方が放し飼いなのが気に懸かる。もしも自分が「ボジョレー・ヌーヴォー」全体で小洒落た駄洒落を思いつくことができたら、大空へ向かってハングライダーで飛び立てるかもしれない。何とか、この記事の終わりまでに捻り出したい。

今日は2017年12月5日。やや不穏な動きの感じられる日だ。朝一番にこんな記事が頭に引っかかって離れなかった。

この記事で言われている「スプレッドのワイド化」とは、自分が下の記事で書いた「テパタン」(テーパー・タントラム)のこと。

悲しいことに、テパタンが何人か遊びに来たあと、世界的バブルが崩壊して、日本も財政破タンがやってくるシナリオが有力視されている。

また当時の欧米の中央銀行のバランスシートは今よりはるかに余裕のある状態だった。今もし何か起きて、再度、中央銀行が巨額の緩和を求められても余力はほとんどないのではないだろうか。また、リーマン後の世界の崩壊を止めたのは中国の財政支出であったが、今の中国に当時のような勢いはない。それどころか中国自身が震源地になると認識されているのである。

上記の理由で「バブル再延命策はない」という認識は自分とほぼ同じ。というか、世界経済を日常的に注視している人は、だいたいこの周辺に持論を立てている人が多いのではないだろうか。 土屋剛俊が鋭いのは、途中のぺージタイトルに「金融システムが毀損するかどうかが問題」と銘打っている点だ。

実は、現在の不換紙幣による世界的バブル発生可能システムは、廃止が決定済みのようだ。次代金融システムの覇権争いが、いま最もホットなのである。

自分が最大限の信頼を寄せている二つの情報源が、相次いで「不換紙幣が破綻したあとの金融システムの主役争い」の記事をリリースした。「カレイドスコープ」と「田中宇の国際ニュース解説」。

目下、短期的利回りを追求したい人がまず気になっているのは、ビットコインの資産価値が今後も上昇するかではないだろうか。記事には「条件付きのおめでたさ」が書き込まれている。

答えは「ビットコインには、見かけ上、十分すぎるほどの資産価値がある」です。

(…)

ブロックチェーンの本当の発案者(グループ)と、ビットコイン地政学的戦略兵器と見なしている国家の利害が一致しており、新世界秩序(NWO)の「キャッシュレス・エコノミー化」に向かっている限りは・・・

やったー! どんどんビットコインに投資しようと決意した人々が、念のため「…な限りは」という条件節を吟味しようとして、戸惑っている様子が見て取れる。もう少し引用しよう。

ブロックチェーン技術と暗号通貨の主要な投資家と支持者は、とりもなおさず、国際銀行家グループであることが判明したのです。

「踊る阿呆に見る阿呆」。あなたも、この最後の狂乱を楽しんでください。 

(…)

ウォール街は、フィアット通貨の死と中央銀行システムの終焉を確信しており、代わって世界中央銀行によるデジタル通貨の発行を人々に受け入れさせることによって、どんな人間のトランザクションをも追跡可能にしたいのです。

結局は、ビットコインの取引における匿名性の死は、個人の自由の死を意味する、ということです。

「サトシ・ナカモト」の正体について論じるとき、CIAとつながりのあるイスラエルブロックチェーン技術者集団の暗号名である可能性が浮上します。

暗号通貨投資家の不思議は、日頃、「その仮想通貨の流動性と実需を見極めろ」と言いいながら、「サトシ・ナカモト」という謎の集団の正体に関心を持たないことです。

だから、ビットコインの値は、ウォール街機関投資家たちの手によって、いいように翻弄されつづけ、今後も高値を更新していくでしょう。

そうすることで、人々を監視することを可能にするブロックチェーンと、彼らの「神」である人工知能をいただく世界政府の実現を、いっそう早めることができるからです。

(強調は引用者による)

自分も、ビットコインについては、やがて量子コンピュータの指数関数的な発達によって崩壊する運命にあるので、「過渡的な何か」だろうとの感触を持っていた。

上記の信頼できるソースを重視すると、世界政府の樹立と世界共通の暗号通貨を普及させるための「捨て石」だと考えてもよさそうだ。

(メルマガ全文の有料購読がオススメ) 

一方、「ビットコインと金地金の戦い」と題された2017年12月1日の田中宇の記事も、とても読み応えがあった。

有料記事ゆえ要約はできないので、公開されているリード文を引用する。こちらの情報源も、購読して全文を読むことをお勧めしたい。

金融界は、ドルや債券、中銀群のQEのバブルを延命させるため、資金をビットコインに注入して高騰させ、ビットコインが金地金を潰しにかかるよう仕向け、金地金の相場が低いままの状態を長期化しようとしている。だが、いずれQEのバブルが崩壊すると、世界の覇権体制が国家臭の強い多極型に転換し、金地金に有利、ビットコインに不利な新世界秩序になる。

 ここ数か月、ポスト不換紙幣システムの最有力と目されて乱高下を繰り返しているビットコインより、結局は金地金の方が有力な投資先であるとの自説を、期待以上の恐ろしい形で補強してくれる本を、今日の昼食中にざっと読んだ。 

グリーンスパンの隠し絵【上巻】―中央銀行制の成熟と限界―

グリーンスパンの隠し絵【上巻】―中央銀行制の成熟と限界―

 

アメリカでは聖書の次に影響力を持つとも言われるアイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』を、ほとんどの日本人が知らないのはどうしてなのだろう。その系譜に連なるグリーンスパーン元FRB議長(略して「グリスパ」と呼ばれる)についても、充分に理解されているとはいいがたい。

自分もちょっとだけ記事に書いたが、グリスパという「神であり、かつ悪魔」な存在の実態には、まったく迫れなかった。 

しかし、この本は凄い。おそらくグリスパ研究書の中では世界一で間違いないだろうから、早々に英訳されるべきだろう。

若い頃はジャズ・ミュージシャンで、その昔スタン・ゲッツと共演したこともあるという逸話は本当なのだろうか。しかし、さらに大きな注目を集めなくてはならないのは、グリスパが「中央銀行嫌いの中央銀行家」だったこと、「オーストリア学派経済学の影響を受けた一種のリバタリアン」であること、「金本位制の自動調整力に近似させるようFRBを制御していた」という事実だ。 

グリーンスパンの隠し絵【下巻】―中央銀行制の成熟と限界―

グリーンスパンの隠し絵【下巻】―中央銀行制の成熟と限界―

 

アメリカの財政金融委員会でのロン・ポールとの応酬も面白い。

ロン・ポール(…)ほかでもない金についてうかがいたいと思います。今日、紙の紙幣はうまく機能しているようですが、壁にぶつかることもあるでしょう。それはいつでしょうか。金を見直すべきなのはどんな兆候が現れたときでしょうか。……

グリーンスパンそうですね。中央銀行は金を持つ、通貨当局は金を持つとお考えですね。アメリカは多額の金保有国です。それで自問されるんでしょう。なぜ金を持つのかと。……一九七〇年代に中央銀行はインフレがいかに有害なものかを悟り始めました。このため実際一九七〇年代後半以降中央銀行家は一般に金本位制のもとにいるかのようにふるまってきました。……[けれども] 特にこの段階で金本位制に戻る利益はあるんでしょうか。ないと思う、というのが答えです。そのもとにいるかのように行動しているからです。(…) 

アメリカ事情通や(CIA用語でいう)「陰謀論」通であっても、この両者は普通に言って不倶戴天の敵同士に見えるのではないだろうか。しかし、なぜか応酬は控えめでどこか和やかだ。

村井明彦はその理由が、両者に共通の基盤があるせいだとあっさりと明かす。元を辿れば、二人ともアイン・ランドの思想に心酔する1%グローバリストのお仲間なのである。 過激に1%側に楯突く素振りを見せていたロン・ポールも、ガス抜き用の「別動隊」なのだ、と書き切ったところで、何だか悲しくなってしまう。

検索しても、その二重三重の工作員配置の周到性が頭に入っている人々が、ほとんどいないようなのだ。

私たちは、またしてもこの人の独走を目撃させられることになる。 この辺りの事情を自分が教えられたのは、最大限の信頼を寄せている情報源「カレイドスコープ」の全記事を読み切ったことによる。

 何より、ロン・ポールが、ロスチャイルドの愛人であったアイン・ランドの客観主義(と言えば聞こえはいいが、要は「金」を神と崇めるイデオロギー)の信奉者であることは、日本ではまったく知られていません。 

 しかし、ひとつの物事に悲しむべき側面しかないとは限らない。博士論文をまとめた本書は、村井明彦の圧倒的なリテラシーの高さと頭脳の明晰さを物語ってやまない快著だ。

村井明彦は「時間のみが本書の価値を公平に定めるであろう。時間は定義によって不死で、それゆえ考えられる限りでは最も公正な裁判である」とまえがきで謙遜して書くが、時間ならぬ時宜としては、不換紙幣システムの崩壊間際の今、この巨大な経済イデオローグの出現はきわめて稀な慶事だと言えそうだ。

経済イデオローグとしての真価がより公正に定まっていく最初の試金石は、1%グローバリストたちの源流までを踏破できる知力を、経済学の世界で主流派経済学に対抗する巨大な奇岩として君臨するために使うか、反グローバリズム99%のための経済環境に資するよう駆使できるか、の2択にどう応接するかになるのではないだろうか。

その答えが、カレイドスコープの運営者と同じく後者であることを祈りつつ、あの未来学者カーツワイル発明のシンセサイザースティーヴィー・ワンダーが約20年前に作曲した名曲を、目下のビットコイン狂騒曲での投資方針として、カバーで引用しておきたい。

え? 私がどんな投資をしているかって? 投資できるお金がないどころか、路傍で行き倒れて凍死しそうなくらいギリギリの心境だった、ここ1年くらい。

けれど、もし今も自分の心臓が鼓動をつづけ、温かさに満ちた血を全身へめぐらせてくれているとすれば、それは助けの手を差し伸べてくださったすべての生者の温もりのおかげ、そして bijou rainbow(宝石のような虹)をかけてくださった方々のおかげだと思う。

本当にありがとうございました。