Brain には洗濯より豆電球を

専門知識を縷説しようとした路彦の眼前を、旧世紀のプロペラと車輪の付いた単葉機が掠めて飛び去ったような気がしたのは、人工心臓を発明した冒険家のことを思わず連想したせいだろう。かつて「翼よ」と呼びかけたリンドバーグの発明品である人工心臓は、その灯が絶えることなく発展的に継承されて、日本でも今や埋め込み型のそれが、移植までの過渡的装置(ブリッジ・デバイス)として、厚労省に認可されている。

1927年に単葉プロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功したリンドバーグに言及したので、飛行機のことを調べたくなった。 

ライト兄弟: イノベーション・マインドの力

ライト兄弟: イノベーション・マインドの力

 

飛行機を発明したライト兄弟は元々は自転車屋だった。そこから、わずか12 馬力のエンジンで有人動力飛行を成功させるまでには、膨大な革新と苦闘を重ねなければならなかったにちがいない。兄弟の素顔をあまり知らなかったので、画像検索をかけた。アップで見ると、意外に日本人的な顔立ちのようだ。

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血はつながっていないが、日本にもコメディアン以外で「ライト兄弟」と呼びたくなる二人組がいる。

日本の「ライト兄弟」の兄貴分の方は、日本初の女優だった川上貞奴と関係があった。

ドビュッシーピカソロダンを夢中にさせたというのだから、川上貞奴が舞台に立てば、当時の風習なら、現金のおひねりが飛んできたりもしたことだろう。

例えば、旧千円札の伊藤博文。いや、お札だけでなく、当時熱狂的なファンだった伊藤博文本人が舞台を飛んで見に来たらしい。やがて、現一万円札の福沢諭吉も飛んできたそうだ。厳密に言うと、飛んできたのは、福沢諭吉の怒りだったという。

話を整理しよう。

日本のすべてのライトの源となっている電力網の基礎を作ったのは、兄貴分の福沢桃介と後輩の「電力の鬼」こと松永安左エ門。「ライト兄弟」はまたの名を「桃鬼兄弟」とも言えそうだ。

福沢桃介はあの福沢諭吉の次女である房の婿養子だった。ところが、桃介には投機の才能があり、1000円を100万円(現在の貨幣価値でいうと20万円を2億円)にする大博奕を当てて、しかも日本初の女優の川上貞奴との仲が世間に知られたことで、福沢諭吉が烈火のごとく怒った。遠戚の人間が経営するメインバンクに融資を停止させ、桃介の会社を倒産させたのである。

その蹉跌が、桃介を再び投機に向かわせ、膨らみつづけた膨大な資金を元に合併や買収を繰り返すよう導き、弟分の松永とともに、現在の九州電力の元となる会社を創り上げてしまうのだから、歴史のめぐりあわせは面白い。

九州電力の次に、桃介は木曽川水力発電所の開発へと向かう。そこで島崎藤村の実兄の反対運動に苦しんだりもするが、折からの電力需要の急伸で、電力事業は拡大し、関西電力の元となる会社にまで成長する。そしてとうとう九州電力の前身と関西電力の前身の合併へと至って、「ライト兄弟」は、日本の電力網のかなりの部分を牛耳ることになるのである。

 少し話を端折って、時代は第二次世界大戦後となる。日本の「ライト兄弟」あらため「桃鬼兄弟」を退治しに、外国人たちが上陸してきた。青い目をしたGHQだ。

 ここが大事なところだ。

歴史をひもとくと、他ならないGHQが日本に発送電分離を働きかけてた過去があるらしいのだが、詳細は調べていない。 

数日前に上記のように書いてしまった。 wikipedia 以外の出版物にもそのように書いてあったので、とりあえず一行だけ書いて後で調べようと思っていた。どうも政策のベクトルに占領軍らしさがなかったからだ。調べて良かった。間違いだったようだ。 

さらば国策産業―「電力改革」450日の迷走と失われた60年

さらば国策産業―「電力改革」450日の迷走と失われた60年

 

1948年2月22日(…)GHQの意向を受け、日本発送電と9つの配電会社を過度経済力集中排除法(…)の指定企業とし、解散を命じた。そもそも連合国の占領政策には「日本の戦争経済力を壊さなければならない」という基本方針があり、国有国営一元化された電力は財閥に匹敵するほど「壊すべきもの」とみなされていた。 

(強調は引用者による)

 日本の「戦争経済力」破壊が第一義であったことの証拠に、戦前に事実上国有化されていた日本発送電と9つの配電会社(つまり発電と送電は国内1つ、配電は9つ)を、GHQが強硬に主導して、発・送・配・電を垂直統合した地域独占の9つの電力会社に分割して、電力の生産供給体制を非効率化した。つまり、沖縄電力を加えた現在の日本の10電力会社体制は、GHQによって作られたというわけだ。それだけではない。吉田茂内閣が国民に反対されてその占領政策の施行に失敗すると、GHQは伝家の宝刀「ポツダム政令」を公布して、 日本の「戦争経済力」破壊を実現したのだった。

GHQによる桃鬼退治は成功した。というより、どれほど傑出した実業家であっても、敗戦国に属する一人や二人の個人に「敗戦」という厳粛な事実を覆すことはできない。福沢桃介は国家総動員法の公布直前に脳溢血で急死し、「電力の鬼」松永安左エ門は、GHQの主導にほぼ沿う形の改革案の実現に関与することしかできなかった。

松永が官僚ら大多数の反対を押し切る形で、占領政策を実現させたことをもって、その野蛮な膂力を称える『さらば国策産業』の論旨には、若干の違和感を感じずにはいられない。現在のジャーナリスティックな批評眼で見れば、松永の対極にあった「大山案」「三鬼案」の方が、日本の理想的な電力生産供給体制に近いからだ。あまつさえ、GHQ主導による垂直統合型の地域密着9会社分割によって、つまりは、システムの非効率化によって、電気料金は高騰し、分割会社は30%近い値上げを2度実施しなければならなくなった。言葉の響きと戯れながら続ければ、「電力の鬼」は「三鬼」には勝ったが、それは仲間割れの諍いにおける孤独な勝利でしかなかったのである。

むしろ、松永安左エ門を再評価するなら、GHQ主導の電力システム改悪での局地的勝利よりも、垂直統合型の地域密着9会社分割を、彼が暫定的な通過ステップとしか考えていなかっただろうことの方を、自分は賞賛したい。

国策嫌い官僚嫌いの松永は、過去に九州電力の前身と関西電力の前身を統合させるという剛腕を発揮した実績がある。GHQの支配力に乗って電力会社を民営化しておけば、やがて在野の勇者たちが電力会社同士の合従連衡を生み出せると考えた可能性がある。

事実、松永安左エ門の構想については、こんな記録があるのである。

松永は(…)9社体制の次に来る再々編の必要性を見通し、「東京、東北及び北陸、中部、関西の合併論を唱えていた」のかもしれない。

(「」内の出典は以下) 

電力百年史 (1980年)

電力百年史 (1980年)

 

 発・送・配・電を垂直統合した地域独占の9つの電力会社という旧弊は、やはり占領政策が生んだ徒花だった。またしても『永続敗戦論』の壁に、私たちは行くべき進路を遮られてしまったというわけだ。まずは、私たちの社会を構成している悪弊が、歴史的に言ってどの遠距離地点からの、空間的に言ってどの遠距離地点からのリモート・コントロールなのかを、足元にある自分や周囲の人々の生活や人生を守るために、見極めていかなければならないだろう。

(同じ内容に言及しているTrutherを検索で発見した)

 リモート・コントロールと言えば、2014年に失踪したマレーシア航空370便行方はどうなったのだろうか。アメリカの引退した老練のジャーナリストは、この報道にわずかな慰めを見出しているそうだ。

ボーイング777と、大半が中国人の乗客と乗組員239人の運命にまつわる謎が深まるにつれ、極秘の軍事技術が鍵を握っている可能性があることが明らかになった。

しかし、他の国々が極秘データを共有することを嫌がることから、捜査は行き詰まり、捜査区域が拡大するにつれ沈黙も深まったように見える。

公に議論したがる国がほとんど無いような分野や技術に注意が向かっていると述べて、“事件はスパイ小説の様になった”とある東南アジアの国の特使は語っている。 

その「公に議論したがる国がほとんど無いような分野や技術」について、分野はディエゴガルシア島、技術は機外からの機体操縦、つまりはリモート・コントロールではないかという推測が取りざたされている。 

 

国士として名高いマレーシアのマハティール元首相は、CIAが極秘情報を握っていることと、ボーイング機にリモコンが搭載されていることを示唆している。

“Someone is hiding something. It is not fair that MAS and Malaysia should take the blame,” he wrote.

Dr Mahathir suggested the United States' Central Intelligence Agency had knowledge of the disappearance of the plane with 239 people on board but was not sharing it with Malaysia.

He also claimed that Boeing, the plane’s maker, and “certain” government agencies, have the ability to remotely take over control of commercial airliners such as the missing Boeing 777.  

そして、スパイ小説そのもののような後追い情報についても、われらがフナッセーが言及している。

ハイジャックされた370便は、目的地、北京とは逆のインド
洋に向かわされた。そこには米軍の秘密基地が存在する絶海の孤
島、ディエゴ・ガルシアがある。そこに強制着陸させられたこ
も間違いない。超低空で同基地に向かう370便が多くの人々に
目撃されており、もはや隠しようがない。
 決定的証拠は乗り合わせた乗客が携帯電話で送り続けたメール
だ。乗客の名はフィリップ・ウッド氏。IBMのエンジニアだ。
「ハイジャックされたとき、なんとか自分の携帯電話をお尻に隠
した」「目隠しされて、よくわからない軍人によって人質にされ
ている」そして、ハイジャック機は着陸した。
 「私はほかの乗客から隔離されている。私はいま独房にいる」
「何か麻薬のような注射を打たれているせいか、はっきり考える
ことができない」。このメールには、真っ黒な画面が添付されて
いた。そして、発信記録から緯度と経度も判明した。それは、な
んとディエゴ・ガルシア基地の位置そのものだった。 

明日はあなたに埋められる? 死のマイクロチップ

明日はあなたに埋められる? 死のマイクロチップ

 

 実は、これらの情報については、ジム・ストーンというアメリカのフリー・ジャーナリストがかなりのところまで深追いしている。

自分は上記ブロガーと同じ意見で、上記ディエゴ・ガルシア島からの人質による写真送付は、ディスインフォメーションの可能性が高そうに感じられる。私たちはすでに「アポロの月面着陸」という格好の例題を学習済みだ。

disinformation 情報攪乱(偽情報)という諜報戦上の戦略行為をご存知だろうか。今回の例で説明すれば、キューブリック・インタビューが偽の捏造であることを発覚させることによって、その反動で、それを信じて騒いだ人々を「騙された莫迦」という種族に貶め、同時に「捏造インタビューで語られた内容までもが捏造である」との認識を流布することを企図する情報戦略のことである。

とりわけアポロ11号については、すでにdisinfomationの「前科」があって、それはフランスのテレビ局が制作した「Operation Luna」という番組。ネオコンラムズフェルドまで登場する迫真の「虚偽着陸の告発番組」に仕上がっていたが、エイプリルフールに発表されていたことと、番組内に映画中の虚構人物の名前が鏤められていたことが、程よい時期に発覚。その反動で、番組を真に受けた人々の顔に泥を塗り、アポロ計画陰謀論自体が捏造、つまりは「アポロは本当に月へ行った」という無根拠な空気を醸成することに成功した。

情報が錯綜していて真相は誰も把握できていないように見えるが、以下の二つの可能性は視野に入れておく必要がありそうだ。特許収奪と墜落機体への使いまわし。

まだ世の中全体では「911の自作自演テロは、実際はCGで映像が作られていて航空機は飛んでいなかった」ということを知っている人は少ないようですが、今回の事件もまた同じ手法で、どうやら実際にはマレーシア航空機は空中で撃墜されたどころか、そもそも空を飛んでいなかったという疑惑が浮上しています。

(…)

「では、この事故現場の航空機は一体何なのか?」という疑問については、今のところ疑惑に上がっているのが、これは今年3月に謎の失踪を遂げたマレーシア航空の「MH370便」ではないかという噂です。

一部加工されている部分もあるようですが、どうやら今回撃墜されたという航空機の様々な箇所を見比べると、これは「MH17」ではなくて「MH370」の可能性が極めて高いようです。

これが事実とすると、あの3月に謎の失踪をした「MH370」もすべて同じグループが関与した1つ大きな事件の流れであり、ますます“陰謀論”であることが現実味をおびてきます。

見識の高いブロガーが「911の自作自演テロは、実際はCGで映像が作られていて航空機は飛んでいなかった」 などと言うと、驚いて腰を抜かしてしまう人々が多いのではないだろうか。ぜひとも「no plane theory」で検索をかけて、動画サイトを覗いてもらいたい。

世界から真実を奪い、私たちをリモート・コントロールしようとしている1%グローバリストたちに対抗するには、情報リテラシーを高めて、洗脳耐性を身につける必要がある。

ライト兄弟が初めて空を飛翔したという史実より、現代を生きる私たちにとって大事なのは、Brain を洗われないよう洗脳耐性をつけながら、Brain の中に豆電球のライトを灯すこと、つまりは自分で自分を「啓蒙する(enlighten)力」にちがいない。

 

 

Jim Stone を一躍世界的に有名にした「デビュー」動画。