くしゃみは火が継がれていく合図

へっくちん。

 やっと普通に近い発音でくしゃみができるようになって、少しほっとしている。でも本当は、冬でもくしゃみが出ないくらい元気いっぱいでいなければ。

では元気いっぱい、昨晩の Apple Watch を見て思い出したのだけれど、という書き出しで書いてみようかな。 

ご存知のように、エルメスというブランドは、元々はナポレオン3世やロシア高r帝御用達の馬具のメーカーだった。その後の華やかな歴史は、まさしく武具馬具武具馬具三武具馬具、合わせて武具馬具六武具馬具という感じで、最高級ブランドに登り詰めたことは、多くの人々の知るところだろう。 

 東京から愛媛の松山へ帰郷した直後、元気のない兄貴を妹が励まそうとして、馬に乗せてくれたことがあった。妹は乗馬に凝っていて、世には「ホース・セラピー」というものもあるのよ、馬と触れ合ったらきっと元気が出るから、との助言に乗っかって、肱川まで行った。

乗せてもらったリズという白馬は病弱だったらしく、自分が指示を出しても一向に動こうとせず、かなり気儘に、思い出しては好きな方向へふらふらと歩く、といった感じだった。数週間後に亡くなったらしい。 

帰りの夕暮れ、絶対に元気が出るような絶景があるからと、車を回してくれたのが、上記のひまわり畑。写真で見るととても綺麗だが、時期が悪かった。兄妹で訪れたときはオンシーズン直後で、満開だった向日葵のすべてが、萎れて頭を垂れていた。夕暮れを背景にして、立ち枯れの向日葵の群れが、あってはならない「縊死者の群れ」のように見えてしまったのを覚えている。

これを書きながら思うのは、自分の波動に合ったものを引き寄せてしまうということ。当時の自分は本当に調子が悪かったのだ。助けようとしてくれて、ありがとう、妹よ。

 へっくちん。

 おお、今日この発生でくしゃみがとまらないのは、きっとワクチンについて書けということなのだろう。  

 この本の第一章「子宮頸がんワクチンとは?」というまとめを一読しただけで、とんでもなく奇妙なことが行われているのがわかるだろう。

  1. 性交経験のある全女性の半数以上(仮に66%とする)がHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染する。
  2. HPVの感染者のうち約90%は自然治癒する。

ざっと計算すると、1.× 2. =66%×10%=6.6% が得られる。この数値は日本の(性交経験のある)全女性のうち約6.6%が、HPVに継続的に感染する可能性があることを示している。

  1. 下記の医学論文の分布グラフを視認した限りでは、高リスク型HPVの感染割合は、最大でも60%程度のようだ。(もちろん症状を感じた患者が病院へ行ってデータ化されるので、一般的な感染における高リスク型HPVが存在する割合は、実際は遙かに低いものと推測できる。しかし、デ―タが存在しないので、ここは便宜上60%を採用する)。http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6109-294.pdf
  2. HPVには100以上のタイプがあり、子宮頸がんの原因となるのはその中で「高リスク型」と呼ばれるごく一部のタイプです。このHPVは性交渉によって感染しますが、高リスク型HPVに感染しても、子宮頸がんを発症する確率は1000分の1くらいだといわれています。HPV/子宮頸がん検診 FAQ | 予防医学のLSIメディエンス

 前項の6.6%に1.2.を掛け合わせると、6.6%×60%×0.1%=0.00396% が得られる。

ここで推進派のプロパガンダの煙に巻かれないように、話を0~29歳までの女性に限定して進めていく。まず、子宮頸がんの罹患率と死亡率の関係を確認しておきたい。

日本国内では、女性の悪性新生物による死亡率は、消化器腫瘍が 1 位、2 位を占め子宮癌は乳癌に続き6 位であるが、年間約 7,000 人が子宮頸癌と診断され、約 2,400 人が死亡している。http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0705-01.pdf

  1. 全年齢の女性のうち、罹患が(少なくとも)約7000人、死亡が約2400人なので、子宮頸がん由来の罹患女性の死亡確率は約34%となる。

  2. 続けて、

    補足事項。子宮頸がんワクチンの効用は6~10年のみ。(つまり、未成年の推奨接種の効力は0~29歳の範囲に収まる)。
  3. HPV150種のうち発ガン性がある高リスク型は15種。そのうち2種(16型と18型)にしか、子宮頸がんワクチン(サーバリックス)は影響しない。子宮頸がんのうちこの2種のウィルス由来のものは、日本人で約50%。
  4. 0~29歳までの子宮頸がんの死者数の割合は、全年齢層の子宮頸がん死者数のうち約0.69%。 この項目1.の34%で除すると、同年齢の罹患率割合2.03%が得られる。 

前項で得られた0.00396%に 3.と 4. を掛け合わせると、0.00396% × 50% × 2.03% = 0.00004%が得られる。ゼロが多くなりすぎてピンと来なくなってしまった。あくまで概算ではあるものの、10万人に4人の罹患を予防するために、厚労省は未成年への定期接種をしていたことになる。

待ってほしい。大事な確率を掛け合わせるのを忘れていた。0.00004%の子宮頸がんになるやも知れぬ0~29歳の女性に対して、子宮頸がんワクチンはどれくらいの確率で訊くのだろうか? (一説には、インフルエンザワクチン70~90%の確率で効くとされている)。

参議院厚生労働委員会(2013年3月28日)で、当時の社民党党首がこう斬り込んだ。

福島瑞穂: 本物の子宮頸がんを減らしたという実績はあるんでしょうか?

厚労省局長矢島鉄:最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンスはございません。

 すでに限りなくゼロに近い 0.00004% に、掛け合わせるべき数字は何とゼロだったのある!

まさか、本当にゼロだとは思わなかった。いくらなんでも、そんな莫迦なことはありえないと考えていた。今晩の News Zero のトップニュースは、これで良いんじゃないだろうか。 

犠牲になる少女たち: 子宮頸がんワクチン接種被害の闇を追う

犠牲になる少女たち: 子宮頸がんワクチン接種被害の闇を追う

 

さて、ここからは涙なくしては語れない「被害」の話になる。この分野の最新刊の『犠牲になる少女たち』は、素晴らしい出来だった。これまでに出版された「子宮頸がんワクチン批判本」を総覧できるのがありがたいし、巻末についている年表も、この問題を時系列で把握するのに役立つ。

同じ著書による記事がネット上に見つかった。

  他のワクチンでも一定数の割合で被害者は出るが、このワクチンの場合、重篤な副反応の発生率がケタ違いに高い (インフルエンザワクチンに較べてサーバリックスで52倍、ガーダシルで24倍。参議院厚生労働委員会2013年3月28日のはたともこ議員質疑)。

 (…)

2016年2月には、HPVワクチンの毒性に関する動物実験結果を記したShoenfeldらの論文を、国際査読誌『VACCINE』が、査読を経て一旦はオンライン上に掲載しながら、その後、ワクチンメーカーと利益相反のある(研究費などの形で金銭などを受け取っている)同誌編集長の介入により、著者らに無断で撤去(撤回)されるという驚くべき出来事も発生している。その後この論文は投稿し直して他誌に掲載された。この一件の経緯は、長く薬害と取り組んできた薬学者の寺岡章雄と保健学者の片平洌彦臨床・社会薬学研究所長との共著論文「HPVワクチンの安全性――国際査読誌が動物試験論文を掲載後に不正撤去」 (『日本の科学者』2017年1月号) が明らかにしている。

 (…)

 2009年当時、日本政府は、「新型インフルエンザが流行するのでは」との予測に基づいて10月1日に7700万人分のインフルエンザワクチンを確保するとの方針を立て、国内外の製薬会社に大量注文をした。外資系の会社ではノバルティス・ファーマ社とグラクソ・スミス・クライン社が受注した。ところが、インフルエンザは全く流行せず、ワクチンは必要なくなった。日本政府に対してノバルティス・ファーマ社は違約金を要求し、日本政府は92億円を支払った。グラクソ・スミス・クライン社は、違約金は要求しない代わりに自社のHPVワクチン、サーバリックスを買って使って欲しいと言ってきた

(強調は引用者による)

「接種の積極勧奨を再開させてはならない」前札幌学院大学教授・井上 芳保 | 論壇

 元々社会学が専門の井上芳保の著作が際立っているのは、孫崎享の名著『戦後史の正体』などを参照しながら、この「薬害」の背後に、「永続敗戦構造」があることを見抜いている。「失われた二十年」の根本に、1985年のプラザ合意や1988年のバーゼル合意(BIS規制)があることを見抜いているのは、まさしく卓見だ。

相次ぐワクチンの副反応の被害で日本政府が接種の勧奨を中止すると、何とCSIS(米国際戦略研究所)が「遺憾の意」を表明したという箇所が、最大の読みどころの一つだった。

 そのFEMA創設という蛮行を、ハンティントンはNSCでのかつての上司Bとともに行ったわけだが、今ここに招来してしまった恐ろしい固有名詞ブレジンスキーは、堂々と講演の中でこう発言している。彼によるFEMA創設の事実と重ねながら拝聴すべき驚異の発言だ。

 

(…)私は一度、あえて辛らつに言います。私は、ほめられて、イギリス外相は、これを繰り返しました。次のようにです。すなわち、これまでの時代では、100万人の人々をコントロールする事は簡単だったのです。文字通り、100万人の人々をコントロールすることは、物理的に100万人を殺すよりも簡単な事だったのです。今日では、100万人をコントロールするよりも100万人を殺す方が限りなく簡単なのです。コントロールするよりも簡単なのです。そしてもちろん、それは、直接の武力行使を伴うものです。

 (強調部分は下記の動画の説明より引用)

 

 子宮頸がんワクチンの製品化の背景で、「ノーベル賞の権威」が濫用されていることにも批評眼が行き届いているのも素晴らしい。

「子宮頸がんはヒトパピローマウィルスが原因となって発症するのではないか」という仮説が登場し、ドイツのハラルド・ツアハウゼンという学者によって、子宮頸がんのがん細胞の中から同ウィルスのDNAが発見されたのが一九八三年、その後、彼の説に基づき、製薬会社によって16型と18型に対応するHPVワクチンが最初につくられたのは二〇〇六年

 ついでながら、ツアハウゼンはこの発見の功績で、ノーベル生理学・医学賞を二〇〇八年に受賞していますノーベル賞の受賞はHPVワクチンがつくられてから二年後です。そして発見からは二五年も時間が経っています穿った見方をすれば、ノーベル賞はHPVワクチンが商品開発のめどがたった後で権威づけのために与えられたという可能性は否定しきれません。(…)権威にだまされないことです。

(強調は引用者による)

 子宮頸がんワクチンが推進されていった「永続敗戦論」的な背景については、自分はこの記事にまとめた。もちろん 『犠牲になった少女たち』にも、不自然すぎるあのCMのリピート放送は、年表の記録に入っている。

「予定通り」、原発の安全装置は外され、東日本大震災が発生し、原発メルトダウンした。この「予定通り」という副詞句は、事実として、上の文章のどこまでを修飾していると解釈すべきなのだろうか。

 

上の記事ではあのように書いたが、3.11はもちろん津波だけでは終わらなかった。金子みすゞ公共広告機構の CMと同じくらいの圧倒的な高頻度で、この母娘のCMが流されていたことを、この国の人々は記憶しているだろうか。

 東日本大震災後、テレビで執拗に反復されたこの「検診のすすめ」の背後では、日本の未成年の少女たちへの「予防ワクチン接種のすすめ」が国策として進められていた。2010年から2013年まで、子宮頸がんワクチンの予防接種は、厚生労働省によるワクチン接種「緊急促進」事業だった。

何をそんなに緊急に急いでいたのだろうか。間に合わせなくてはならない「予定」でもあったのだろうか。その3年余りのあいだ、日本の未成年の少女たちの接種率は7割弱にまで高まったという。

まったくナオミ・クラインの言うとおりだ、と溜息が出てしまう。甚大なショックを与え、人々の脳を「白紙状態」にして、同一情報のシャワーによって洗脳する。……

当時国会で予防接種法の改正に唯一反対した元参議院議員が、子宮頸がんワクチンがどう見ても不必要なのに、どう見ても不自然な拙速さで承認された過程を、国会質問の議事録を引用しつつ、この本に記録している。現在は山本太郎参議院議員の秘書をしているのだとか。その人脈のあり方が、この国で数少ない誰がまともな正論を吐いているのかを、またしても人々に思い起こさせる。  

 こちらの本は、子宮頸がんワクチンの副反応で人生を滅茶苦茶にされた6人の少女と彼女たちを支える家族の手記だ。川村真希(仮名)のドキュメントには、涙で視野がにじんでしまった。

「救急車に乗って男四人で押さえても、はねのけるような勢いだった。ベルトをしても、そこから落ちそうになる。そういう動きが四時間以上続くんです」

 ワクチン接種直後の自分の病状を、少女はそう話した。不随意運動を震えやわななきのようなものだと思ったら大間違いだ。本人の意思とは関係なく、身体が勝手に「のたうちまわる」のである。少女たちの苦しみは、どれほどだろうか。

ワクチン接種から時間が経っているのに症状が治まらないのは「詐病」だからだ、と主張する推進派もいるらしい。HPVワクチンの抗体価が20年程度持続するという研究結果すら確認していないのだから、呆れてものも言えない。

不随意運動に加えて、上記の少女に新たな症状が出現してしまう。深刻な記憶障害だ。

(…)またほっさがあった。なん回あったかしらないけど、おきたとき、全部わからなかった。(…)それなのに、なーすさん、しんじてくれなかった。まだ、なまえとばしょしかわからなくて、べっとのうえでこわかったのに、かーてんのとこで、きをひきたいみたいっていっていた。(…)つらかった、かなしかった。だれもしんじてくれないのかなって。(…)

 そのとき、やさしいおじさんがきた。さいしょ、わからなかった。でもはなしかけてきてくれて、はなしているうちに、じぶんをなおしてくれる人っておもいだした。せんせいはしんじてくれた。うれしかった。せんせい、いっていたけど、びょうきになって3ねんみたい。3ねんのものは3かげつでなおせないけけど、がんばろうっていってくれた。うれしかった。このくやしいのをなくすためにがんばろうっておもった。 

自分の生命をここまで傷つけられた無辜の少女が、ここまで必死に書き綴っている言葉に対して、何も書けなければこの国の文学は負けのような気がする。この国をこんな風にしてしまった大人のうち、誰かがこの言葉にしっかりした言葉を返さないと。その難しい役割を、できれば自分は引き受けてみたい気がしている。 

 涙を絞るために用意された苛酷な人生の「虚構」より、無防備に苛酷な人生に晒された「実際の人物」が涙を乾かしていく「実話」の方に、自分は多くの物を賭けたい。

記憶障害がいくらか回復し、「真希の説明書」と名付けた日記には、漢字交じりのしっかりした決意が書きつけられるようになった。

 ワクチンをすすめた人をつぶすためには、良い頭を持って、良い味方を持って努力すること。このまま負けてられない。痛む身体にムチうって頑張る。見てろ! すいしん派! 

 これを書いている自分も含めて、そうやって希望の灯を絶やさない限り、被害者たちに連帯しようとする「良い味方」は次々に現れることはまちがいない。

へっくちん。

くしゃみが出た。本当は、冬でもくしゃみが出ないくらい元気いっぱいでいなければ。でも、くしゃみが出たのは、きっと別の理由からだ。ネット上の推進派の工作活動をはるかに凌駕する形で、誰かがこの惨状の噂を広めてくれているのだ。

今晩のこの噂には医学的な根拠があり、相手にはエビデンスがゼロだ。

熱意に満ちた「良い味方」たちよ、つながろう。噂を広めて、燎原の火のように、嘘を焼き尽くして、真実の火を継いでいこう。

 

 

 

 

 

(被害少女が心の支えにしていたのはX JapanYoshiki だったという。現在20歳前後だろうか。これくらい口ずさめるほど回復してくれていればと願いつつ引用。ご快気をお祈り申し上げます)