2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

緑の扉を開ければ

溺れる者がつかみたくなるのが藁、深夜の仕事中にふとつかみたくなるのが、サンドイッチ。幸いにも、まだ後者しかつかんがだことないが、何だかいつのまにか自分が溺れているような気がするのは、気のせいだろうか。 約10年前まで東京で暮らしていたので、多…

血より涙が流れそうな換喩的奇跡

東京タワーのことを考えていた。 別段、田舎者の考えそうな「東京の象徴」を目の当たりにしたかったわけではない。もともと建築好きなので、東京に住んでいた約10年間に、あまり人が知らないような建築までよく観に行った。東京タワーもそのうちのひとつにす…

自らを monkey にし magic によって自らを変えよ

純文学作家志望だった自分がなぜこんなことを書いているのだろう。と何度も首をかしげているうちに360℃まわって元に戻った角度で、もう書いてしまうが、西森秀稔が基礎研究とベンチャー事業をコーディネイトする仕組みの必要性を説いていたのが気になって、…

青空のした海賊たちは寝そべる

青空に意味なんてない。ただ私たちを虚無から守っているだけだ。 確か日本版の予告編ではそんな言葉が流れていたように記憶する。「意味なんてない」と言いながらも、虚無から守ってくれているのは意味ではないのか?と反射的に問いが浮かぶ。しかし、映画を…

ランドセルに希望を入れ忘れないよう

自分を知る人からもらう形容詞はだいたい決まっていて、「頭が良い」「面白い」「優しい」というのがパブリック・イメージ。プライベートでは「可愛い」の獲得を狙いつづけて生きてきた、と書いた今、昨晩が憂国忌だったことを思い出した。とうとう少年時代…

いつかランドセルを背負うタラちゃんのために

自分の出自とは関係がないと思う。属している文化的種族のせいで、これまで歩んできた道であまり接触してこなかった人々がいる。ヤンキーとか珍走団とか言われる人々だ。そういった種族の人々が右翼思想と親和性が高いのは、社会学では有名な話。 その周辺か…

グリスパズ・イブに乾杯!

アフロで長風呂な小粋でキュートな論客。 だいたいこの線で残りの人生を生きていこうと考えているが、今のところうまくいっていない。ひょっとしたらコンセプトが間違っているのかもしれない。けれど、長風呂はやめたくないので、今晩も「いで湯と文学の街」…

食べかけのココアマフィンを小鳥に

上の記事で初めて電話をくれた琴里のことを考えていた。自作小説のヒロインの名前をどうしようか考えているとき、ART VIVANT で手に取ったこの本の名前を思い出したのだった。 小鳥の肉体―画家ウッチェルロの架空の伝記 作者: ジャン‐フィリップアントワーヌ…

tomorrow 話の続きはまた明日

自分を置いて失踪したせいで、逢えなくなった兄について考えていた。 兄は禁煙していると吹聴しつつ、喫煙者たちの前で禁煙が苦しいと切実に訴えて、煙草を恵んでもらうのが得意だった。これがたまらなく美味いんだと笑って、兄は器用に口をすぼめて、宙に輪…

悪魔に baby faith は貸さない

信号が青になるのを待っている。 上の記事を書いてから、約3か月。どうしたことだろう。しあわせの青い鳥に会えそうな流れには全然ならないな。 I wasn't born yesterday. 誰がどんな理由で邪魔しているのかはっきりすれば、どうだって対処できるのに。 とか…

ポジティブ十割蕎麦

昨晩の記事の最終行で自分に注文した「パうどん」を食べようとしたが、なかなか箸が進まなかった。検索すると「パうどん」の製造元は北海道にあるらしい。何となく従業員全員があらゆる言葉を訊き返していそうな先入観を持ってしまう。 箸が進まなかったのは…

おい、磯野ポジ、野球しにいこうぜ

四国のリーダーは松山なのか高松なのか。 県外の人と話をしていると、よくそんな話題になることがある。この記事はかなり詳細に分析してあって、地元民としてはとても面白い。途中にある「松山が大きな田舎で、高松が小さな都会」という表現は、言い得て妙だ…

心に dandelion を根付かせて

色違いの綺麗なタンポポ? 違う。実はどちらも同じタンポポだ。左が人間の単眼で見ている花、右が蝶や蜂の複眼に見えている花だ。蝶や蜂の複眼的視覚に合わせて、花自身が蜜や花粉のありかを教えたがっているかのように、中心部が赤く抜き描きされているのが…

あなたは教えてくれる

七五三はわかるが、八五三がわからない。八百屋、五百木、三百地ときて、やおや、いおき、という読みがわかっても、三百地の読み方がわからないのだ。何と呼ぶのだろう? 休日、地元の実家の近くにある三百地公園のベンチに腰掛けて、とりとめもなくそんなこ…

鹿られた鹿が鹿った鹿を鹿った

冗談はさておき、エレベーターが特殊舞台として最も輝くのは、密室殺人よりも「密室での愛」にちがいない。その数十秒をどのような情緒で描き上げるかを考えると、筆を繊細に動かさねばならない覚悟のようなものが指先に漲るが、あの密室の閉塞感を表現する…

ブレーキ・ローズ 1965

本当はふざけてはしゃぎまわったユーモアが横溢した雑文を書きたい。ただ諸事情があって、どうしてもある程度は硬い話を交えないといけないような気がするので、せめて気の利いたアイスブレイクから始めたい。 「Damn, what garbage!」 「日本語で喋ってくれ…

鯖男もロバオも世界にひとつ

中学1年生で初めて英語を習った世代だ。まだようやくアルファベットの大文字と小文字を覚えたばかりの4月。まだ小学生の面影の残るクラスメートが、英語の教科書に出てくる登場人物の Sadao を言い間違えることが多かった。 How are you, 鯖男? と指名され…

虹色の子猫ショー

昨晩は執筆が難渋して、ダンボールの上で少し仮眠を取ってから書き上げた後、スポーツジムへ行った。眠ったのは7時くらいだったと思う。9時くらいに目が醒めてしまった。つらい目覚めではあるが、半睡半醒の頭はインスピレーションが降りてきやすいので、嫌…

五輪までにあといくつ輪を描けるだろう

その実態は未知数ではあるものの、「五輪終」=「五輪が終わればご臨終」なんていう縁起の悪い洒落も囁かれている。けれど、東京の不動産の崩壊は、オリンピックの終了を待ってからやってくるとは限らない。 不動産業界では「五輪まではもたない」との見立て…

「青い時計の旅」は失踪した自分を探して

途轍もなくブルーな気分だから、ブルーな話から。 絶対にそうと決めているわけではない。ただ振り返ってみると、40数年の人生のうち、文字盤の青い時計をしている時間が長かった。 20代の頃も英国製の青の時計をしていたはず。青の時計をつけて池袋の今は亡…

「純文学の女神」の妹から電話がかかってきた②(2017-11-08)

ぼく:(10コールくらいしてやっと電話に出る)…もしもし… 純文学の女神の妹(以下、妹):もしもし。イイ女からの電話をこんなに待たせるってどういうことよ。 ぼく:あ、その声は「純文学の女神」の妹さん! 妹:(声に出した微笑)…許してあげるわ。声を…

世界で一番短い口癖

街は晴天の朝。それなのに、中学生の頃大好きだった小林麻美のヒット曲を思い出していた。ヒットの「黒幕」は松任谷由実。原曲を優に越えるアレンジだ。この中学生当時の思い出に触発されて、というわけではなさそうだが、大学生の頃に同じく「雨音+ピアノ…

ジャパンアイデアソン完走祈願

書く内容があまりにもとりとめがないので、タイトルは最後につけることにしている。昨晩「涙を小洒落きれなくて」というタイトルをつけたのは、数時間ではとても江國香織最高傑作には及ぶべくもなかったという敗北宣言を込めたから。ただ、個人的には、思っ…

涙を小洒落きれなくて

「ただの小洒落た駄洒落好き」。 このブログの文章が、そんな遠心力たっぷりの批判を受けているらしい。170ほどもある多種多様な記事からその二つしか読み取れないなんて、どうかしてい… おっと、危ない、危ない。遠心力に煽られて、ネガティブなことを口に…

終わりのない冒険物語

近隣にスターバックスができたせいで、その評判のブレンドの馥郁たる香りに触れる機会が増えた。ただし、その香りは隣の席の同僚の珈琲に由来している。必要に迫られて、珈琲を飲むようになったのは最近のことだ。スタバが美味なのは知っているが、経済的な…

花vie en rose

秋だ。ミレーの「落穂拾い」を思い浮かべていた。 調べてみると、落ち穂を拾っている3人の女性の社会的階層や、彼女たちを生かそうとする地主や有力農民たちのキリスト教的「慈愛」が興味深かった。言われてみれば、構図もとても良い。 3人の農婦はおそらく…

サイレンスの声を聴きとりたくて

サイレンがサイレンを追ふ夜の火事 戸栗末廣 洗い髪に顔をうずめた夜明け前連続放火告げるサイレン 穂村弘 酒鬼薔薇少年の脅迫状郵送先で軟禁された友人から電話をもらったり、その少年と同じ町に住んだり、 オウム真理教による新宿駅青酸ガス事件とニアミス…