2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

channel は永遠にそのまま

昼食をいただいてから、海へドライブに行った。浜辺にしばらく腰かけて、静かな凪の海の潮騒を自分に聞かせる。疲れ切っている心身を空っぽにするには、うってつけの対症療法。 女たち 作者: フィリップソレルス,Philippe Sollers,鈴木創士 出版社/メーカー:…

辞書をめくって decency を

普段から、知らないうちに口笛を吹き始めていることが多い。「口笛を吹くと蛇が出る」からやめるよう注意されることもあって、自分は口笛を吹いているときに蛇に遭ったことはないものの、その俗諺が本当なのかどうかは気になる。 蛇が出る小説にそのような描…

ONE Rose, Actually.

これは今日の昼過ぎの出社前、シャワーを浴びているときに降りてきたインスピレーション。インスピレーションは actually, actually…と数回繰り返した。 このタイミングで書いておいた方が良いことなのかもしれないので、今晩はこの話から。 数年前、たぶん2…

玻璃ヶ浦に今は漕ぎ出でな

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな この熟田津とは、松山市の道後温泉あたりにあった港だと言われている。現在の地図でいうと、海岸線から5km以上離れた山の麓の地点になる。山に港? 道後温泉の地に港があったと言われると、地元民と…

Cat or Dog?

幼稚園の頃、犬と猫は同じ種類の動物で、オスが犬でメスが猫だと思い込んでいた。今でも、「メス犬」と「オス猫」には、何となく違和感を感じる。 と書き出したのを見て、毎晩仕事の傍ら更新しているせいで、とうとう書くことがなくなって、幼稚園時代の思い…

美しきライオンに追われて

神秘体験に慣れていない人たちから見ると、ぼくが「壊れかけてきた」とか「すっかり精神的に参っている」とか、そんな風に見えるのかもしれない。必ずしもそういうわけではない。 話は去年の6月にまで遡る。このブログの初エントリにも少し書いた。 昨夏、仕…

愛だろ、愛

本人が影響を受けたと公言しているジャン=ピエール・リシャール(と未邦訳の誰か)についても、デリダによる完膚なきまでの批判からリシャールを救いたいとどこかで蓮実重彦が記していたことを知りつつも、彼は絶対にリシャールで割り切れるような存在でな…

横断していくドゥルーズ犬たち

自分の書く文章の最大の特徴は、さまざまな領域にまたがっていることだと、読み手には感じられるらしい。 14年前、不得意な分野を書いていて記述レベルがやや落ちてしまったのを、(今でも)憧れのブロガーにさりげなく「領域を横断したがる欲望が…」と示唆…

夜の混沌に対抗するリトルネロ

カフェインに弱い自分も、朝だけは珈琲を飲んでも大丈夫なので、珈琲を片手に眠気覚ましに短い英文を読むのを日課にしていたことがあった。読んでいたのは、朝日新聞の社説の英語版で、「twisted Diet」という表現を覚えているから、ここで語った首相が政権…

バイバイ、テパタン

「答案と解答を突き合わせよ」とのメッセージが、年少の友人から来ているような気がする。あの話をするべき時宜が整ったということなのかもしれない。 もう率直に書いてしまうが、どういう理由からか神秘体験に愛されている自分は、時々そこにいない人の声が…

翼ある祝福よ届け

日本一の栄冠を勝ち取った「駅伝ガールズ」たちの雨の日の室内訓練には、時折りテレビ取材が入ることがあった。「南海放送です~」という今の声真似でわかる人にはわかったはず。ひよこ感のある短髪の男性で、当時は「もぎたて」な地元密着愛を前面に押し出…

この国の明日へ、手紙をください

カニレターの届いていない郵便受けなんて、シナモンの入っていないアップルパイのようなものだ。 確かイギリスの小説にそんな一節があったような気もするが、気のせいかもしれない。手紙でなくとも、ある程度意思疎通ができれば、相手の心が未知数に思えて不…

隣組からの国債的エア・メール

世界一短い曲のことを考えていた。歌詞はこの一行、演奏時間は1.36秒。 You suffer, but why? 今晩の自分がやけに共感してしまう歌詞だ。デスメタル系のアーティストの曲らしい。ここに書いた記事の名前と関連を感じてしまう。 1.316秒は極端だとしても、テ…

とびっきり甘い梨味のアンソニー

誰もができることなのに、自分だけが虚構と現実の区別がつかないのは、なぜなのだろうか。 他のせいにするの良くないかもしれないけれど、virtually という英単語にも責任の一端がありはしないか。①仮想的に ②事実上 という相反する二つの意味が込められてい…

アップルパイ―(シナモン+アップル)=?

今朝は雨。台風が近づいているせいだ。仕事の山場を越えて安心した瞬間、風邪を引いたり、休息を求めたりする正直な体をしているせいで、早朝に出社して少しキーボードを叩いてから、会社の通路に段ボールを敷いて倒れていた。激しい雨音を聴きながら、段ボ…

旧ソビエト経由の巨星

中学生の頃、サッカーをやっていた。ポジションはサイドバックかスイーパーだった。幸運なことに、サッカー体型にはならずに幾分か足が長いままだったので、コーナーキックを蹴る役を務められたのは嬉しかったが、それ以外は「アモーレ」な同郷のジョカトー…

「モルディブへは僕は行かない」

見たこともないのに、勝手に世界一の絶景だと心中で決めている場所がある。太平洋の北マリワナ諸島にあるロタ島で、島が美しいのではなく、ロタ・ホールと呼ばれる海中にあるブルーの光の束にうっとりするような魅惑を感じてしまうのだ。ひょっとしたら、あ…

とびっきりのスマイルに間に合えば

何であれデザインが好きな性格だが、あまりブランド物に凝ったことはないし、この記事で紹介した現在の愛車も one million under だったから、デザインが好きで買ったものの、偽物をつかまされたのかもしれない。 それでもディーラーへ出向くと、噂通りの心…

知る→Can I ?

本人が悪いわけでもないのに、死後も「ひっぱた」かれたり、数コマの漫画の中で論破されたりと、草場の陰で多忙かつ不遇の立場を送っているのが、丸山真男だ。 (4コマ漫画は以下のサイトから無料ダウンロードして、誰でも引用して拡散できるよう配慮されて…

銃弾のあとの黄金色の麦畑

昨晩、憧れの女性が、銃で胸を撃たれてしまった。 はっとなって身を起こした。夢だった。きっと、この記事で紹介した小林麻美の射殺シーンが記憶に残っていたせいだろう。夢の中の女性は別人のようにも見えたが、中学生のころ憧れていた小林麻美と同じような…

ワンダフルな平行世界

飼い主のペット・ロスも大変だろうが、ペットの飼い主ロスはもっと大変だろう。be at a loss という表現も、元を辿ると、狩猟で猟犬が獲物の痕跡を見失ったときの様子からきているらしい。その言葉が生まれたのは15世紀のこと。獲物ならまだしも、飼い主を失…

喧嘩より変化への順応が尊い

「文学の政治性」という言葉を、これまで自分は比較的多用してきた。これはもちろん、理想的な政治形態を小説で描けばよいということを意味しない。主題論上の話ではなく、方法論上の話だ。どのような手法が、どのような政治性を持っているのか。もう少し発…

夜の旅路に咲くフォスフォレッスセンス

世にはダザイストなる熱狂的な太宰ファンが多くいて、非ダザイストが太宰を迂闊に論じることを許さない雰囲気がある。 といっても、太宰の屈指の名短編として「フォスフォレッスセンス」を挙げることくらいは許してもらえそうだ。太宰のことだから何か仕掛け…

Road of Resistance

少し古い話になる。5月に広島を訪れたとき、原爆ドーム沿いを流れる川の「折り鶴フロート」を観に行った。 (画像拝借元:http://www.djibnet.com/photo/%E5%85%83%E5%AE%89%E5%B7%9D/-4578269326.html) 夕刻、「わくわく号」という名のティーカップ状のエ…

Remember Imphal!

先日チェックしている複数のツイッタラーのタイムラインがざわついた。 無理もない。あのインパール作戦のテレビ特集が放映されたのだ。インパール作戦とは、第二次世界大戦で最も無謀な軍事作戦とも言われた文字通りの地獄。自分も含めて、平和や安全に恵ま…

モエ・エ・シャンドンにはまだ早すぎる

もしこのブログが書籍化されるような幸運へ辿り着けたら、書名は『檻々の歌』にしよう。今晩ふとそんなことを思いついた。しかし、そんな願いも空しく、すべてが水泡に帰するかもしれない。世界は何が起こるかわからない不確実性に満ちている。 それにしても…

晴れ時々パープルレイン

「しくじった。惚れちゃった」とその人は言って、笑った。(…)「しくじった」とその男は、また言った。「行くところまで行くか」「ピザですわ」 まさか、さっそくこの思い出深い記事を活用できるとは。というわけで、今日のブランチは、地元のイタリアンレ…

荒野での孤独なサーブ練習

従姉妹に悲恋相手のジュリエットがいる。 写真の中で唯一の男性が幼稚園の頃の私。帽子が母、一番幼いのが妹で、隣にいる可愛らしい女の子が従姉妹のジュリエット(仮名)。幼稚園の頃は、将来ジュリエットと結婚したいとの私の申し出に、両家ともが「お似合…

虹を越えて飛んでいく鳥

メリー・クリスマス。 思わず季節外れの挨拶をしてしまったのは、世界で最も売れたダンスミュージックのジャケット写真に映っているのが、たぶんあのクリスマス島のカニだから。道といわず野といわず、すべてを埋め尽くして、赤いカニたちがざわざわと海へ向…